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耐震強度偽装問題におもう [耳よりな話]

の問題については、連日報道されているので、ほとんどの方がご存知かと思います。
そして、本日(12月14日)、姉歯元建築士の証人喚問があり、いよいよ問題究明も大詰めをむかえてきた感があります。

ところで、そもそも
「建築確認申請」って何でしょうか?

私も仕事柄、日々関わっておりますが、「建築確認申請」はあくまでも、建築基準法上の「確認」であって、「建築許可」とは、意味が異なります。

行政(指定検査機関)が行うのは、書類審査みたいなもので、あくまでも責任は建てる側(施主・代理する建築士)にあるのです。

そして、行政でも判断しにくい事柄については、「設計者判断による」となり、例えば「構造計算により安全性を確かめた」等の建築士のコメントを入れることにより、「建築確認」がおりてしまいます。
(もちろん、右から左ではなく、質疑応答はありますが・・・)

要は、建築士のモラルとプライドに支えられている制度であって、
「国家資格者である建築士は、善意で仕事をするもの! ウソなどつかない!」
との大前提の上に成り立つ制度と言えるかもしれません。

一般戸建であれば、もっと会社や建築士を選べたかもしれませんが、問題のマンションを購入された方は、建築士を選ぶことなど、まず、出来なかったわけですから、本当に気の毒ですね。



そして、今後、当然、審査・検査体制を強化していくでしょう。
それ自体は良いことかもしれませんが、気になるのは、体制強化に伴う、費用UPや審査期間の延長です。



以前、「手抜き工事」というのが話題になり、行政による「中間検査」「竣工検査」が行われる事になりました。これにより、横浜市では、約3万円の検査費用UPとなりました。

また、ホルムアルデヒドに代表される「シックハウス症」が問題になり、強制換気が義務化。
設備費や申請書類が多くなり、手間がかかるようになりました。

こういった制度は、どうしてもレベルの低い業者にあわせる事になり、まじめに、仕事をしている方からみれば、ばからしいかぎりで、結局そのシワ寄せが購入者にいってしまいます。


皆が、モラルを守り、きちんと仕事をすれば、もっと住宅の価格も下がるのです!

 

私も、一人の建築士として、あらためて、その責任の重さを痛感するとともに、建築士全体の信頼回復の為にも、モラルある仕事をしていきたいと強く思った出来事です。


※お蔭様で、「耳よりな話」も無事?12回目(最終回)をむかえることができました。
一年間のご拝読、誠にありがとうございます!!


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